彼らは諸国を巡回する漂泊の旅芸人で,橋の下で芸をみがいた.
人形浄瑠璃,万歳,歌舞伎などの古典芸能も,元々は 「河原乞食」 の芸だった.
かぶき踊りで一世を風靡した出雲の阿国(おくに)も 「河原乞食」 の出身だった.
彼らは自分の芸だけを売る身分で,武士や町人との交友は一切禁じられていた.
この “禁” を破ると,「川筋者」 (彼らの統率者) に厳しく処分された.
昭和の末頃まで,日本の芸能人は 「河原乞食」 としての自覚を持っていた.
しかし,時代が変わり…,
テレビの時代,特にバラエティ全盛の時代になると,芸能人は 「本分」 を忘れた.
「人気」 を利用して経済や政治の世界にまで進出するようになった.
この風潮を 「川筋者」 (彼らの統率者) も積極的に利用するようになった.
天下国家を 「河原乞食」 が動かす! これを民衆が熱狂的に歓迎する!
ノック,キヨシ,アオシマ,マスゾエ,ユリコ,マルヤマ,ソノマンマ,ハシモト…,
テレビ出演で得た 「人気」を利用して成り上がった芸人達が天下国家を動かす!
…日本国は “劇場国家” という 全く新しい国家形態になったのである.
しかし,「人気」 は移ろいやすい.
ソノマンマのようにボロを出して遭えなく沈没! という3流芸人がいたかと思うと…,
ハシモトのように,テレビカメラをジらしにジらし,露出度を極大化し,最大の劇場効果を狙う “芝居上手” がいたりする.
法廷芸人 (弁護士) としては2流でも,TVの放映時間を延ばす技術は1流である.
このハシモトの “芝居” は,一事が万事,すべてパフォーマンスである.
“地方分権” の中味は一切言わず,“地方分権” を 「錦の御旗」 にして突っ走る….
そして,天下の公党の本部を訪問し,審査し,吟味して回る….
そのハシモトをテレビカメラが延々と追いかける….
この2週間,テレビのニュースには,ソノマンマとハシモトが出ずっぱりだ.すごい.
「“審査” などしなくても,どの党が地方分権に熱心な政党か? 分かるだろ!」
などという野次など一切なし.
「そもそもハシモトの “地方分権” の目的は,“地方殺しの道州制” だ!」
…といった疑問を提起する人間は,テレビ局にはいない.これは仕方がない.
ハシモトもテレビ局も 「川筋者」 に統率された 「河原乞食」 一門なんだし….
ハシモトの道州制については,ちたま研究所 のヴォロさんの漫画が面白い.↓
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