2009年11月25日水曜日
不幸のズンドコ
私は、この伝説の『寺嶋純子 不幸のズンドコ事件』の目撃者の一人である。たまたま風邪をひいて小学校を休んだ時に、その事件を目の当たりにしたのだ。
タイトルは『3じのあなた』だったかと思う。司会は寺嶋純子、今朝の連ドラで保育園の園長を演じている、どこかヘップバーンを彷佛とさせる、素晴らしく美しい女優である。ちなみに、娘はあの大胆演技派女優の寺嶋しのぶである。
母は買い物に出かけていた。ちゃんと寝てなさいよ−、という言葉をよそに私は茶の間におりて来て、テレビのスイッチをつけた。別にワイドショーが好きなわけではないのだが、母がいつも昼間どんなテレビを見ているのか、少しばかり興味があった。
暗い事件が起きていた。ハッキリとは覚えていないが、ある一家が何か大事件の渦中にあった。私はちゃぶ台に頬杖をついて、ぼんやりとみていた。
男性アナウンサーの言葉を受けて、寺嶋純子が深い悲しみをたたえた面持ちで哀悼を込めて言い放った。
「本当に、この御家族は、不幸のズンドコに突き落とされて.....」
え?
私は耳を疑った。今、言ったよね。不幸の『どん底』じゃなくて『ズンドコ』って。聞いたぞ、私は。
何ごともないように番組は進行したように思う。
私は風邪をひいていたことも忘れ、うわ言のように繰り返していた。
「今言った、不幸のズンドコって。絶対言った。不幸のズンドコって」
その夜、姉にその話をすると、
「ぎゃはは〜〜〜!面白いけど、ほんと?」
と信じてくれない。ええ〜〜!本当だってば。
翌日学校へ言って、その話をすると、爆笑の渦にはなるのだが、なんだか信じてもらえない。
が、これがのちに大きな話題となるのだ。寺嶋純子は、美しいだけじゃなくて面白い人というイメージが定着した。ほうら、やっぱり本当だったでしょ?と自慢くらしい私だった。
しかし、当の事件の当事者にしてみれば、なんて不謹慎な人ということにもなる。事件はそっちのけで、寺嶋純子の『不幸のズンドコ』は笑えるハプニングとして一人歩きしてしまった。のちに、本人もそのことを認める発言をしたらしい。そのことに関しては、上記の『ナンシ−関追悼記事』のなかにも記録がある。
それにしても、伝説の『ズンドコ』事件をリアルタイムで肉目で見れた人って、どのくらいいるんだろう。多分、わたしの世代では本当に少ないと思う。だって、学校休まなきゃ見れなかったんだから。
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