2010年1月16日土曜日
胃の中で増殖する蛙と蛇、身体の中で発生して肉の中で増えるシラミ、巨人、小人、生存中の埋葬、母親が妊娠中に見て衝撃を受けたことがらが生まれた子供の身体に刻印される「胎内感応」、尾のある人、ハンター博物館の巨人、子供、シャム双生児、「サル女」
『陳列棚のフリークス』
身体・病気・医療の社会史
必要があって、歴史上の畸形をめぐる医学の逸話を集めた書物を読む。文献は、ヤン・ホデンソン『陳列棚のフリークス』松田和也訳(東京:青土社、1998)
自然発火する人体、胃の中で増殖する蛙と蛇、身体の中で発生して肉の中で増えるシラミ、巨人、小人、生存中の埋葬、母親が妊娠中に見て衝撃を受けたことがらが生まれた子供の身体に刻印される「胎内感応」、尾のある人、ハンター博物館の巨人、子供、シャム双生児、「サル女」こと19世紀に各地で見世物にされたジュリア・パストラーナなどの事例がたくさん集められ、解説されている。英独仏アメリカを広く見ているほか、スカンジナヴィアからも資料を集めている。これらの中には、現代の医学に照らして実在するものも、ありえないものもある。巨人や小人は成長ホルモンの異常の産物だし、「サル女」は、終毛性多毛症・歯肉増殖症、顔面の変形という遺伝性の障害が組み合わさったものと考えられるそうである。
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