しかし、本当の戦いはこれからです。2日 のHTC提訴から 先が正念場でしょう。訴えの対象にはWindows携帯の名前も挙がってますが、あれは本当の標的から目を逸らせるための撹乱です。訴状で上がっている重 要な事例はみなAndroid端末ですし、真の攻撃目標はAndroidと見るのが妥当でしょう。
チェーンの中で最も脆いHTC に攻撃を仕掛けることでアップルはグーグルだけじゃなく、全メーカーに警告を発しているのです。「あ ちらさんのNexus Twoの製造に手出ししたら次はあんたにミサイル発射するからな」と。攻撃目標のリストの次に名前があがってる のは、ひょっとしたらモトローラ ―グーグル携帯開発中という噂は本当だった― かもしれません。
ジョブズには明確に分かっている のです。それもこれもコンピューティングの未来―ネクスト・ビッグ・シング(次なる大潮流)―の覇権を賭けてやって いることなのだ、と。今度はマッキントッシュvs.ウィンドウズ戦争の結末の二の舞は踏みたくないのです。今回ジョブズは大きなリードを固めています。軍 資金も懐にたんまりある。彼は覇権のためなら新製品開発でも戦略的買収でも総力挙げた法廷バトルでも何でもやる構えで す。
先 日行われたアップル株主総会で氏はこう明言しました。我々の巨大なキャッシュの山を使って必要なことはなんでもやる、リードを維持するのに必要とあらばどんな「強 硬手段」も厭わずやる、そしてエンチラーダは全部(=何もかも、の俗語)我々のものにする、と。
間違いなく、ジョブズは本気です。グーグルの計画の裏をかき、携帯端末およびアプリの市 場シェアを維持するためなら、 アップルが今持ってる現金資産400億ドルを最後の1ドルまで使い果たしても構わないと思っています。
で も、その目的遂行のためには強固なクラウド・ストラクチャーが要るし、ウェブのソーシャルな面にも深く踏み込んでいかなくてはならないでしょう。後 者に関してはアップルもまだ手つかずです。前者の頼みはMobileMeですが、これも半煮えソリューションだし、iWork.comベータ版もそんな大してユーザー数は確保できていないのが実情です。たぶんその辺のことは アップルの旧敵 ―マイクロソフト― が力になってくれるかもしれません。それとたぶんFacebookとタッグを組めば、グーグルのもっと痛い弁慶の泣 きどころをビシャッとやれるんじゃないでしょうかね。
一方グーグル。クラウドでリードを固めてはいますが、ソーシャル事業(Buzz)で は躓いてジョークとブーイングの的に なってしまい ました。技術で秀でているAndroidにしてもiPhoneほどには売れてません。AndroidのアプリマーケットプレイスはまだApp Storeに比べると小さいし、質も今ひとつです。現段階ではアップルの方がアプリ開発者の間で支持が得られやすいムードですし、これが大きなアドバン テージにもなっています。
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