2010年2月6日土曜日
問題はマスコミが事件を過剰に報道することではなく、「お上」のクレジットなしに報道しなくなったことだ.マスコミが衰退していることは事実だが、問題は彼らの報道することより報道しないことの中にある
政治家にも人権はあるので、それを尊重する必要はある。しかしこのようにマスコミが極端にrisk-averseになると、調査報道は不可能になる。ロッキード事件は明らかに中曽根=児玉ルートが本筋だったが、民間航空機の田中=丸紅ルートだけがスケープゴートにされた。このとき新聞は中曽根についてかなり思い切った報道をしたが、今ならすべて圧殺されるだろう。立件されていない政治家の疑惑を報道することは、今は許されないからだ。
私の経験からいうと、問題はマスコミが事件を過剰に報道することではなく、「お上」のクレジットなしに報道しなくなったことだ。新聞が独自に疑獄事件を発掘したのは、20年以上前のリクルート事件が最後である。自分だけ責任を負いたくないから、どんなにあやしくても強制捜査が行われるまでは報道せず、逮捕された途端に報道が集中し、あることないこと書き立てる立件バイアスがあるのだ。これは記者クラブだけでなく、週刊誌やワイドショーも同じである。マスコミが衰退していることは事実だが、問題は彼らの報道することより報道しないことの中にある。
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