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ケインズが繰り返し強調したように、彼の理論の本質が不確実性にあるとすれば、代表的家計が永遠の未来まで予見して計画するモデルが、ケインズの本質をとらえているとは思えない。金融政策で期待形成が重要だという政策的インプリケーションも合理的期待の仮定に含まれているもので、今のようなぐちゃぐちゃの世界で中央銀行が期待をコントロールできるはずもない。フリードマンやルーカス以来ほぼ40年にわたって、マクロ経済学は均衡理論+期待で動学モデルをつくってきたが、この手法では今回の金融危機は説明できない。取り付けなどのcoordination failureやCDSのcounterparty riskのようなマイクロストラクチャを組み込んだ新しい理論が必要なのではないか。かつて大恐慌がケインズ理論を生んだように、今回の危機が画期的な新理論を生み出せば不幸中の幸いなのだが・・・
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