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2009年2月17日火曜日

わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。





村上春樹さんの講演 イスラエルに批判的報道なし
2009年2月16日21時19分
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 【エルサレム=平田篤央】イスラエルのメディアは、15日に作家の村上春樹さんがエルサレム賞の授賞式で行った講演について、批判的には伝えず、授賞式に出席したことに力点を置いた。
 16日付の有力紙ハアレツは講演を「詩的」と表現し、村上さんが「ガザで多くの無実の人が殺された」と述べた、と客観的に伝えた。また「イスラエルに行くなと言われたが、自分の目で見ようと決意した」との内容を引用した。
 英字紙エルサレム・ポスト(電子版)は「得意の難解さで受賞理由を説明」の見出しで、講演は「真にムラカミ・スタイルの、あいまいともいえるもの」としたうえで「時差と政治的反対を押し切ってエルサレムで受賞した」などと報じた。
村上春樹さん、エルサレム賞記念講演でガザ攻撃を批判(朝日)■村上春樹さんの講演要旨( MSN産経ニュース)■村上春樹さん:ガザ過剰攻撃に苦言 エルサレム賞授賞式で(毎日jp(毎日新聞))■村上春樹さん、ガザ侵攻を批判(TBSの動画ニュースサイト)(動画)

一、イスラエルの(パレスチナ自治区)ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上が命を落とした。受賞に来ることで、圧倒的な軍事力を使う政策を支持する印象を与えかねないと思ったが、欠席して何も言わないより話すことを選んだ。 

一、わたしが小説を書くとき常に心に留めているのは、高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる卵のことだ。どちらが正しいか歴史が決めるにしても、わたしは常に卵の側に立つ。壁の側に立つ小説家に何の価値があるだろうか。

一、高い壁とは戦車だったりロケット弾、白リン弾だったりする。卵は非武装の民間人で、押しつぶされ、撃たれる。

一、さらに深い意味がある。わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。 

一、壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

動画で村上さんを見たのは初めてですが、賞もらう時とか、ハードボイルドな感じで格好良かったです。そしてガザ侵攻を批判する文章がもう文学的。萌え~(;´Д`)ハアハア茜「自分の目で見て、発言するために受賞しに行ったのね(゜◇゜)」村上氏のダークなもの(例えば海辺のカフカに出てくるジョニー・ウォーカーみたいな)に対する姿勢がそのまま演説に出てるね。「わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している」だって。もう良すぎて死ぬわ(;´Д`)ハアハア茜「お兄ちゃんなんか晩ご飯に卵焼き食べただけだもんね(^◇^;)」やれやれ…ってオイ(笑) まあしかしカスラエルの聴衆の一部はこの演説が不満だったようで、「エルサレムまで来て賞を受けながらイスラエル批判をするのは納得いかない」とかトンチンカンなこと言ってるようですが、そういうやつらに読ませるのはもったいない村上文学。出向いてやっただけでもありがたいと思えって感じですが、ビシリと決めてくれた村上氏にすっきり。さすがです。漢ですね。来年のノーベル文学賞と、ついでにノーベル平和賞もあげてください(  ´ー`)
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