2009年3月16日月曜日
動き出す中国海軍////海洋交通で公海の自由航行権について認識が浅い
動き出す中国海軍
地政学を英国で学ぶ masa_the_man きましたね。これは地政学的にけっこう大きなニュースです。===Beijing sends patrol ship to South China SeaBEIJING (AFP) — China has dispatched its most modern patrol ship to the South China Sea, state press said Sunday, after an incident with a US naval vessel and a fresh claim by the Philippines to the disputed territory.The Beijing News said the vessel would conduct patrols of what it called China's exclusive maritime zone in the disputed waters surrounding the Paracel and Spratly Islands.It said the converted naval rescue ship would aid Chinese fishing boats and transport vessels.The Philippines passed a law last week which lays claim to disputed islands in the Spratlys chain that are also claimed by China. Beijing has called the law "illegal and invalid."Tensions in the area rose further when the United States sent destroyers to international waters off southern China to protect a naval surveillance patrol that was involved in a stand off with Chinese vessels.===アメリカとの海南島沖合でのトラブルと、フィリピンが領有宣言をしたことに対する反応として、中国側が南シナ海(南沙諸島)に向けてとうとうアクションを起こしました。これは見物です
南・東シナ海「主権防衛行動」
中国海軍力増強
近海「支配を強化」
周辺関係国と摩擦も
(読売 3月16日 朝刊)
[概要]海軍力増強を急ぐ中国が、同時に並行するように、南・東シナ海で強硬措置による「主権防衛行動」を拡大しつつある。大国意識を強める中国が「自らの海」を大胆に抱え込もうとする動きだ。そのため、日本を含む周辺諸国、さらには米国との摩擦も表面化し始めている。
海南島沖の南シナ海で今月8日、中国船5隻が米軍調査船に異常接近した上、材木を海上に放出し航行を妨害した問題で、中国政府は「米艦は中国の許可を得ず、中国のEEZ(排他的経済水域)で活動した」とし、米国に関連活動の即時中止と再発防止を求めている。中国での報道も「米スパイ艦」への批判一色だ。
しかし米国側は、公海での沿岸国による規制を認めていない。また、日中間の合意事項となっている事前通告なしに、中国の調査船が日本のEEZ内で活動するケースが相次いでいる。それにもかかわらず、中国は今回「中国の主権が脅かされた」(中国紙)として、実力で米艦を阻止、事実上、米軍に「中国の海で活動するな」と宣言した。
同じく南シナ海で6カ国・地域が領有権を主張する南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島。今月、フィリピン、マレーシアが一部領有を改めて確認した。これに対し、全諸島の領有を主張する中国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が、問題の複雑化回避などで合意した「南シナ海行動宣言」に違反すると激しく反発した。ただ、中国も南沙諸島の主権を主張し、実効支配の強化を進めており、新華社電によると、中国は15日、人民解放軍・南海艦隊の退役船を改装した最大級の漁業監視船を南シナ海に配備した。
中国の「主権防衛行動」では、日本と主張がぶつかる東シナ海でも強化されている。昨年12月、中国船2隻が尖閣諸島沖の日本領海内に9時間にわたって侵入した事件は、中国紙が「主権を示す」ために行ったことを明らかにしている。日中合意に反する形でのガス田開発でも、「中国のEEZ内に位置する」として日本の申し入れに耳を傾けない。
中国共産党政権はもともと、「力の信奉者」(共産党関係者)だ。海を巡る最近の行動は、「軍事力を含む総合的な国力の増大で独自の極を目指す」(同)という大国戦略と、もはや多少の対外摩擦は恐れないという強硬姿勢の表れだ。空母建造・保有論もこの流れの中にある。
[コメント]ここで中国は海洋交通で公海の自由航行権について認識が浅いことに気がつく。日本やアメリカのような海洋国家は、公海の自由航行で巨大な国益を得ている。中国はその公海を周辺海域であっても、制限を加えることは自分で自分の首を絞める行為と気がついていない。日本の港にいろいろな国の船が自由に航行できるから日本は繁栄できるのである。
自分で都合よくルールを決めるのではなく、世界のルールに従うことが自国の国益になることを知るべきだ。中国はその大人に成りきれていないという意味である。
この記事にある様なことを、日本やアメリカの海軍(海自)関係者はどう思っているかといえば、中国の幼稚さを感じるだけのことで、軍事力を使って解決すべき問題とは考えていないだろう。なぜなら海南島の近海には、海底に日米の潜水艦探知システムが敷設され、すでに活動していることを知っているからだ 。
日本周辺で行われていた北朝鮮の不審船の活動を、日本は自衛隊の電波傍受と上空からのP3C哨戒機でほぼ完璧に把握していた。ただそのことを公開していなかっただけの話しである。
中国が問題なのは、台頭する軍事力ではなく、国際常識に慣れない幼児性が問題だと思う。中国はこれから何度も苦い水を飲みながら、学んでいくしかないだろう。
まあ、日本はイライラしないで、大人の対応をすればこの問題は自然に消滅する。長期的に見れば中国の国益を失う行為にほかならないからだ。
南沙諸島の争い?
地政学を英国で学ぶ masa_the_man
ジャパンタイムズに良い記事がありました。南沙諸島の新たな覇権争いについてです。この論説記事はタイトルも地政学してて良いですねぇ(笑===Sunday, March 15, 2009Maritime lines of conflict in South China SeaBy MICHAEL RICHARDSONSpecial to The Japan TimesSINGAPORE — America's protest last week to China over the alleged harassment of two of its navy ships by Chinese vessels, and China's reaffirmation of ownership of the contested Spratly Islands in the South China Sea, highlight two festering maritime disputes. Either position could lead to conflict in the region unless it is carefully managed.The tiff between Washington and Beijing resurrects a long-standing disagreement over the rights of coastal states in Exclusive Economic Zones that extend for 200 nautical miles from their shores, and the procedures to be followed by foreign military ships and planes when using EEZ waters and airspace.The United States says its unarmed ocean surveillance ship Impeccable was about 120 km south of China's Hainan Island last Sunday towing sonars, when it was forced to leave the area after Chinese vessels engaged in "dangerous maneuvers" nearby. The Pentagon says another U.S. surveillance ship had been harassed days earlier in the Yellow Sea, 200 km from China's coast.U.S. ocean surveillance vessels probe the ocean to gather acoustical data and detect underwater threats. Their work helps the U.S. Navy strengthen its antisubmarine defenses.Although the U.S. has not signed the 1982 U.N. Convention on the Law of the Sea that regulates ocean use, it insists that its military ships and planes have freedom of navigation and overflight in "international" waters, including EEZs of foreign states.China, which has signed the law of the sea treaty, maintains that military operations, hydrographic surveying and intelligence collection by foreign ships or planes can be carried out in an EEZ only with permission from the coastal state. Some Asian countries take a similar view, even though they may be reluctant to challenge the U.S. or other naval powers in the way China does.===この記事では「アメリカは国連海洋法条約にサインしてないが中国はしている」という点が指摘されてますね。理詰めで考えれば中国側のほうが強いということを匂わせておりますが、とにかくここでの一番の主張はこれから紛争が起こってくる可能性が非常に高いということです。
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