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2009年3月30日月曜日

ロッテを作った重光の町井に対する評があり、町井は、あまりにも純粋すぎて、商売には向いていなかった///黄牛////ファンソ




猛牛と呼ばれた男

 ”猛牛(ファンソ)と呼ばれた男―「東声会」町井久之の戦後史―”(城内 康伸著/新潮社 刊)という本が気になっていて、今日、川崎大師の帰りに平和島で本屋さんをのぞいてみたら、本棚にあったので、読んでみました。 身長183cmの大柄で、中野では、専修大学ボクシング部の友人3人と、その強さで恐れられていたということです。 柳川次郎といい、戦後、在日韓国の人たちが歩んだ道を、何故、やくざにならなければならなかったかということを、時代背景と本人の出自にかかわる特別な成育環境とともに、よくあらわしています。 そして、石原莞爾の言う東亜連盟に共鳴したという彼の資質は、その暴力的な面ではない、根源的な思想性を物語っていると思えます。 六本木の防衛庁の手前にあった自宅兼事務所は、今、取り壊されたそうですが、ちょっと前話題になった、朝鮮総連が絡んだ不動産の問題のあった建物なのだそうです。 その建物が、壊される前、町井久之の未亡人・町井保予が住んでおり、そこに、筆者が、尋ねて行き、インタビューを行っている場面が記述されています。 いわゆる暴力団の姉ごという感じの人ではないそうですが、町井のことを”男の中の男”と筆者に語っているところが、夫婦の絆を物語っているようで、感心しました。 なんでも、結婚の出会いは、駅で待ち伏せされ、そのまま、町井の住んでいるアパートに監禁されたようで、その時、婚約者もいた彼女は、執拗に迫る町井に、ついに根負けしたみたいでした。 行方不明になった彼女を姉と婚約者が見つけ、三者で話あいがもたれたのですが、結局、彼女は町井の元に残る判断をしたとのことでした。 戦後の韓国人社会での朝連(総連)と建青(民団)の争い。大山倍達、柳川次郎を含めた武闘抗争。共産主義化していく朝連。対立は深まっていきます。 その中で、東声会を作り、1500人を束ね、六本木を支配していく過程が、見えてきます。 児玉誉士夫、ロッキード事件、朴 正煕、力道山刺殺、と連綿と続く日本・韓国をまたにかけた闇の中に君臨していく町井の姿を、筆者は、彼の5階にあった書斎に、その本質を感じ取ったのではないでしょうか。 薄暗い書斎の中には、美術家になりたかったという町井を表しているような、幾多の美術誌、そして、資本論をはじめとする幾多の哲学書に埋まっていたそうです。 最後に、ロッテを作った重光の町井に対する評があり、町井は、あまりにも純粋すぎて、商売には向いていなかったということでした。 ロッテを作り、今なお、栄えている重光と、ぞの純粋さにより、闇の帝王へといざなわれていった町井の栄枯盛衰の人生を比べると、人間の持っている”運命”を感じざるを得ませんでした。
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